木のクセ(個性)を活かし、新たな橋を架ける

木にはクセがある。その木、その木にそれぞれの個性がある。
育った土壌、日照時間、水分補給、隣の木の影響、それこそ数えられないほどの環境の違い、変化でその木は生まれ育ってきた。それを見極めるのが大工の仕事の一つ。
そんな大工の仕事が活きた案件が今回の橋を架ける仕事だ。

傷んでいる橋
木が傷み補修が必要な橋の架け替え
傷んでいる橋の手すり
手すりも修理が必要

木はどっちかに曲がりたがっている

鉄骨が下地で出来ている木の橋が朽ち果て、崩れ落ちそうになっている。
その橋の再生が今回の案件。
今までの木より水と虫に強いヒバの木を選んでの作業となる。
この橋はゆるやかなカーブを描いている。
木材もRの形状に加工しなければならない。
そしてその木の「曲がりクセ」、木目の特徴を見抜き、どのあたりにはめ込んでいくか考える。
木はどっちかに曲がりたがっている。

橋の施工途中
木の曲がりに注意して架け替え
欄干
木に合わせて欄干のカーブを作る

新しい橋が生まれる

真っ赤な新しい橋が生まれ変わった。
ヒバの木に防虫処理をし、塗装で仕上げた赤い欄干が美しい。
床材は傷みを考え合成木材を使用した。
木は生きている。
大工はその生きている木の良さを引き出さなければならない。
何年先にもこの橋が美しくあることを願いながら。

施工完了後の橋
架け替え完了