大工の話:7.無垢材(檜・杉)
無垢材(むくざい):原木から切り出したそのままの木材のこと。集成材などの加工したものに対していう。
木は、周囲の温度や湿度に合わせて空気中の水分を一定に保つ性質があり、それは木材として切り出された後も続きます。
湿度が高いときには空気中の水分を吸収し、低いときには空気中に水分を放出するため、「木が呼吸する」と表現されることもあります。
この調湿性能は、季節によって温度や湿度が激しく変化する日本において非常に役に立ちます。
無垢材は長期的な使用による経年変化を楽しめます。
使い込むほどに味わいを増し、深い飴色になったり、シルバーグレーになったりと一緒に年を重ねていけることも特徴の一つです。
檜(ひのき)
<特性>
1.耐久力
伐採後約200年は強度が向上し続け、その後約1000年をかけ元に戻るそうです。
檜を使用した法隆寺は、1300年にわたり存続する最古の木造建築物として知られています。
2.抗菌効果
檜に含まれるαカジノールという成分には、木材を腐らせる菌の繁殖を抑え、
ダニやシロアリの発生を防ぐ効果があるとされています。
3.消臭力
檜から抽出した精油の消臭力は、他の針葉樹より高いとされています。
さらに檜特有の香りが加わることにより、消臭効果を高めることができます。
4.リラックス効果
檜にはαピネンという香り成分が含まれています。
この成分を吸引すると、副交感神経が働きリラックスできるとされています。
杉(すぎ)
<特性>
1.リラックス効果
木材特有のさわやかな香りと甘い芳香が特徴。
森林浴をしているような開放感が感じられ、リラックス効果があります。
2.鎮静作用
安眠効果が期待でき、さらに抗菌・防虫作用がある点もポイントです。
他の香りとも調和しやすいため、お部屋に取り入れるには最適。
3.加工のしやすさ
スギは真っ直ぐ成長する幹と、軽さが特徴です。
繊維が真っ直ぐで加工しやすいため、さまざまな用途で用いられています。
4.日本の固有種
人工造林されているスギがほとんどですが、秋田地方や屋久島などは天然スギの産地として有名です。
日本の樹種の中でも大きな割合を誇ることから、手に入りやすい木材として人気があります。