大工の話:1.巾木
巾木(はばき):壁と床の継ぎ目で、壁の最下部に取り付ける細長い横板の事。
「巾木」とは、床と壁のぶつかる部分に設置する部材です。
この巾木、部屋のデザイン上は邪魔になってしまうこともあるため、
なぜつける必要があるのか聞かれることがあります。
理由の一つは、隙間を埋めるため。
壁と床には、木材の伸縮の逃げしろを作るために元々ごくわずかな隙間があります。
ぴったりと隙間なく施工するのが難しいということもありますが、
壁や床に、温度や湿度で伸縮する無垢材を使った場合などは“逃げしろ”を設けることで床鳴りやたわみを防ぐことができるのです。
ただ、そのままの状態にすると、ゴミなどがすき間に入ってしまうため、
巾木を設置することで、それらの侵入を防いでいます。
もう一つの理由は、汚れから壁を守るため。
床の隅は、掃除機・モップ・雑巾などがぶつかったりするところです。
巾木がないと、壁の下の部分が意外と汚れたり、衝撃で傷むことがあり、
こうしたダメージから壁紙や塗り壁を守ってくれるのです。
汚れや傷みが気になってきたら巾木だけの交換も可能です。
近年は、小さなサイズなど種類が増えてきました。
巾木の色や素材を床と合わせるか壁と合わせるか、そこも悩むところです。